それでは、1枚目から順に説明しましょう。堅苦しくなく、「簡単に」いきますね。
まず 「一般診断法」による診断 という部分ですが、
木造の耐震診断には大きく分けて2つの方法があります。
ひとつは「一般診断法」、もうひとつが「精密診断法」です。
今回、生駒市役所が採用している「一般診断法」は、建物の壁などの耐力要素を破壊行為を行わず、
設計図面や目視で行う診断法です。
利点としては、破壊行為が無いので診断費用が安価であり、診断時間が短いこと。
不利な点としては、設計図面や目視で確認できない場合は「不明」という記載になり、
診断の精度が低くなることです。
もうひとつの「精密診断法」は、上記の「不明」という判断を許容しないので、
分からない部分は、壁などを壊して確認することが必要な診断方法になります。
利点は、診断の精度が高く、劣化部分などの範囲など細かく設定し、算定できること。
不利な点は、耐震改修工事を前提とした破壊行為を伴う診断なので、時間と費用がかかることです。
次に ④ 建物仕様 の部分の 「非常に重い建物」という部分ですが、
ここでは、建物の重さを「屋根」と「壁」の材料から判断しています。
耐震性能は建物の重量が重いほど支える力が多く必要となるので、建物全体の重量を判断しています。
次に、⑦ 形状割増係数 という部分です。
この部分は、建物の全体の形についての話で、長方形に建っている建物の「短い方」の長さが
「4m」を切るような場合に割増がかかる部分です。
どういう意味かといいますと、京都などの町家を想像して頂けるといいのですが、
建物が細長くなると「ひっくり返る」力が多くかかるので、そういう建物は強く設計して下さい。
という意味なんです。横幅の広い箱と狭い箱とを比べると、横幅の狭い箱の方が不安定ですよね。
次に、⑫ 接合部 です。
これは、土台や柱、梁をどのように固定しているかを表す部分です。
右の図を見て頂くと理解しやすいと思いますが、要は支える壁の強さを発揮できるかどうか
を計算するために強度を見ています。