02・耐震診断を行いました
Complete No.007
耐震診断編
耐震補強設計編
耐震改修工事編
さて、今回は耐震診断です。
さっそく、耐震診断の業務委託契約書にサイン頂き、診断に着手です
お気づきの方も多いと思いますが、この住まいが「木、香るフクロウの家」に変身します。
耐震改修の場合はどうしても、新築と違い、改修工事へ着工する割合が低いので、
改修計画が進んでからのアップデートとなりますので、リアルタイム感が低いですね。
話はそれましたが、耐震診断です。
診断では、まず、間取りが図面通りであるか確認をして、天井などを見て雨漏りの可能性を探ります。
建物の劣化が耐震診断では評点に影響するのと、蟻害(シロアリの食害)や腐朽(木が腐ること)
の原因になりますので、よくチェックします。
それから、外周部を廻り、外壁の亀裂や不同沈下の有無を確認していきます。
右の写真は、外周部の浴室の外側です。
白いボックスの横にコーキングがべったり塗られている箇所があります。
こういう場所は、あやしいのです。
昭和52年築の住まいですが、この年代の浴室の外周部はコンクリートブロックで出来ている
場合が非常に多いのです。コンクリートブロックの上に木造の建物を建築しているので、
素材の違う部分でひび割れが生じ、浴室の水が壁の中にまわっている可能性が高いです。
この壁の上には、アルミサッシの窓があります。
このアルミと浴室のタイルも素材が異なるため、完全な止水はできていません。
あやしい... っと思いつつ、内部に入ります。
通常の診断ですと、屋根を見るのですが、ここは数年前に屋根の漆喰を塗り直した時に
見ているので、省略。
内部は、土壁で出来ているので、筋交いとか見えるかな?
なんて思いながら、壁一枚一枚をチェック!
耐震診断の最大の目的は、壁一枚一枚の耐力をチェックすることなんです。
だから、押入だって、ちゃんと見せてもらいます。
右の写真はその押入の天井裏の写真です。
思惑通り、外周部は梁まで、間仕切りは天井までの土壁でした。
その他、火打材がボルトで固定されていることや梁が羽子板金物で固定されていることが
確認できました。
垂木や野地板にシミなどは見受けられないため、雨漏りは無いですね。
最後に、床下をチェックします。
多くの耐震診断員が床下は床下収納から見るだけのようですが、
ボクは「ガンガン潜ります。」 誰よりもいい仕事したいのでね!
これは、階段横あたりの土台です。横はタイルで出来たトイレ(在来式)
やはり、シロアリの蟻害にあっていました。
どうしても、土壁の住宅は蟻害の可能性が高いように思います。
タイルのトイレやタイルの浴室のある住宅は特に注意が必要です。
タイルの床の下10cmくらいまでは土を埋めてからタイルで仕上げているので、
土と木の距離が近いため、蟻害を受けやすいのです。
別に持ってきたツナギの服をドロドロにしながら床下のチェックをして
耐震診断は終了です。
次回は、 03・ 診断後、データの入力と書類の作成 です。
垂木
野地板
火打
羽子板ボルト
シロアリによる蟻害
建物概要 木造2階建て
屋根:淡路瓦桟葺き
外壁:ラスモルタル刷毛引きの上、
ベルアート、キャニオンローラー仕上げ
内部:フロアー 吉野桧、吉野杉
壁 クロス仕上げ
住まいの設計は 一級建築士事務所 Hirano S-A Laboratory 〒630-0243 奈良県生駒市俵口町950-1-203 URL : http://www.hirano-s-a-labo.com e-mail : tomohisa@hirano-s-a-labo.com
トップ>住宅・建築WORKS>Complete No.007 奈良県生駒市S邸「木、香るフクロウの家」>Complete No.007-02・耐震診断の契約と耐震診断を行ないました
Complete No.007 奈良県 生駒市 S邸 「木、香るフクロウの家」
・耐震診断 耐震改修 設計/施工 ナチュラルモダン 無垢材 吉野杉 吉野桧 淡路瓦
特徴:吉野杉、吉野桧をふんだんに用いた住まい。新築のようであるが、実は耐震改修
を行ったリフォーム物件! 平成20年度生駒市耐震改修事例集.pdf 掲載」