27 ・ 内装工事(2)
Complete No.007
耐震診断編
耐震補強設計編
耐震改修工事編
今回は、内装工事(2)ということで、内装工事の細かい仕上げの部分をレポートしていきます。
右の写真は、2階の洋室リビングのテレビボード部分です。
吉野杉の羽目板が斜めにデザインされています。
吉野杉の板の色目が気になると思いますが、これは、杉の特徴で、樹木の芯に近い部分は赤く、
周囲は白い状態なのです。それを、バランスを見極めて張っていくのですが、
このように色目の差が大きいのは最初だけで、数年経つと、白い部分が赤みを帯びて来て、
色目の模様は気にならなくなります。
最初は、結構違い色なので、まだらになったりすると、本当に気になる事もありますが、
長い住まいの寿命の中で、ほんの数年の話なので、天然素材の面白さだと思って頂いてます。
その吉野杉の下にあるテレビボードですが、これは、赤松の集成材の耳付板です。
樹木の皮の部分が「耳」としてついた、一見高価な無垢板に見える集成材です。
これも、本当に「あじ」のある素材で、同じく、この洋室リビングで用いるテーブルも
この素材で作りました。
テーブルは3.8m×1.0mの両耳付の板で、ものすごく大きなテーブルができました。
ここは、「S家が集まる集いの場」なので、大きなテーブルが必要となっていましたので、
ついでに、父と二人で作成しました。
次に、二枚目の写真を見て頂きたいのですが、この写真は、2階の洋室リビングの
間接照明のボックスです。
栂という窓枠などに用いた素材で、この洋室をやさしく照らす事が目的です。
注目して頂くのは、このデザインで、このボックスのスリットです。
2枚の板を接続してボックスを構成するのですが、見える部分に釘やビスを打つ事ができないため、
きっちりと接続できない可能性が高い仕事となります。
この様な場合は、逆に、あえてスリットを設けてあげる事で、
きっちり接続使用とした結果、隙間ができるという様な事を回避しました。
こういう施工の仕方と連動した事を考えるのも、ボクたち設計者の仕事です。
そして、三枚目の写真は、2階の洋室リビングのハイサイドライトの写真です。
この窓は、3つの窓が一列に取り付けされており、両端は開閉可能な窓としました。
ここから、住まいに溜まった熱気を抜いていく事が目的です。
夏期の熱気を住まいの一番高い部分で抜く設計をすると、住まいの中で「煙突効果」という現象が起こり、
下から涼しい風が入り、暖かくなった熱気が上から抜けます。
また、屋根の部分で換気できる窓を設置すると、「ベンチュリー効果」という現象が起こり、
屋根上部を抜ける風が室内の空気を吸い出します。
この様な二つの効果を利用して、夏期に涼しい住まいの換気設計をしました。
あとは、実際に住みやすいかどうか。
効果が出るかは、お楽しみですね。
次回は、耐震改修工事編の 28・ 完成しました です。
建物概要 木造2階建て
屋根:淡路瓦桟葺き
外壁:ラスモルタル刷毛引きの上、
ベルアート、キャニオンローラー仕上げ
内部:フロアー 吉野桧、吉野杉
壁 クロス仕上げ
こういう板の色目が違うと気になる事もありますよね
赤松の耳付板
スリット
吉野杉の梁
超かっちょいい!
この窓が開きます
住まいの設計は 一級建築士事務所 Hirano S-A Laboratory 〒630-0243 奈良県生駒市俵口町950-1-203 URL : http://www.hirano-s-a-labo.com e-mail : tomohisa@hirano-s-a-labo.com
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Complete No.007 奈良県 生駒市 S邸 「木、香るフクロウの家」
・耐震診断 耐震改修 設計/施工 ナチュラルモダン 無垢材 吉野杉 吉野桧 淡路瓦
特徴:吉野杉、吉野桧をふんだんに用いた住まい。新築のようであるが、実は耐震改修
を行ったリフォーム物件! 平成20年度生駒市耐震改修事例集.pdf 掲載」