Complete No.017

建物概要  木造2階建て

        屋根:いぶし瓦土葺き

        外壁:ラスモルタル刷毛引きの上、

        スキン吹き付けクリア仕上げ

        内部:フロアー ライブナチュラル

            壁     クロス仕上げ

耐震診断編

耐震補強設計編

耐震改修工事編

住まいの設計は   一級建築士事務所 Hirano S-A Laboratory   〒630-0243 奈良県生駒市俵口町950-1-203  URL : http://www.hirano-s-a-labo.com   e-mail : tomohisa@hirano-s-a-labo.com

25・ 屋根漆喰補修工事

今回は、 屋根漆喰補修工事 をレポートします。


今回特集する屋根漆喰の補修工事は瓦屋根の住宅ではかなり重要な部分ですので、


ぜひ、最後まで見て下さい。重要な部分は写真で解説していきます。



屋根瓦の漆喰ですが、主な役割は、瓦のみでは防ぐ事の出来ない雨水の侵入を防ぐ役割です。


屋根瓦は、水下から順番に割り付けの通りに葺いていき、屋根の棟で他の屋根と合流します。


その合流地点は、乾式工法の桟葺きでも土を積んで、のし瓦を積み上げます。


この土が雨水を含むと柔らかくなり崩れてしまうので、屋根漆喰で雨水の侵入を防いでいます。


そんな重要な役割を果たしている屋根漆喰ですが、天然素材であるため約10〜15年程度で


劣化してきます。その劣化した屋根漆喰は補修する必要があるのですが、


その屋根漆喰の役割や雨水の流れを理解していない施工者が補修を行なうと、


劣化した屋根漆喰を撤去せずに、その上から新しい屋根漆喰を塗り付ける事が多いです。


右の写真の様に、屋根漆喰からのし瓦の先端との距離が少なくなると、屋根漆喰の裏の土に


雨水がまわります。そして、その雨水は、屋根の下地の構造材を腐らせる原因になります。


本来、屋根漆喰はのし瓦の先から2〜3cm程度引込んでいなければならないのです。


この住宅も、以前に屋根漆喰を補修した業者が屋根漆喰を塗り重ねた為、


車庫の上部の棟の軒先が腐ってきていました。幸い、構造の中身は健全であったため、


屋根の補修のみで工事を終えましたが、屋根漆喰の補修にはご注意下さい。



それで、3枚目からが、このお住まいの屋根漆喰の補修写真ですが、もちろん、既存の屋根漆喰は


すべて取り除いて新たに屋根漆喰を施工し直しました。


簡単な工事に見えますが、屋根の上での屋根漆喰の撤去作業は大変です。


撤去した部分の土のせいで屋根瓦が滑りやすくなりますし、何より、高所での傾斜のある


ところでの作業は大変です。これだけ大変な工事になるなら、


少しでも手を抜く良くない業者が居てもおかしくないと、工事を手伝いながら思いました。


でも、ここで手を抜く様な人間にはなりたくないですね。絶対に!


工事の大変さや工事のどこが重要かを理解して一緒に住まいづくりをする職人さんは、


やっぱり、スゴイです。




次回は、 26・ 内装工事完了 です。

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トップ住宅・建築WORKSComplete No.017 奈良県生駒市A邸>Complete No.017-25・屋根漆喰補修工事

Complete No.017 奈良県 生駒市 A邸


・耐震診断 耐震改修 設計/施工  次世代省エネ基準級断熱 家具デザイン


特徴:耐震診断から耐震改修までご依頼頂いたお住まい。リフォームでありながら

    次世代省エネ基準級の高断熱設計をさせて頂き、食器棚もデザインしました。

屋根漆喰の撤去前に撮影した写真。

私達の前に補修工事をおこなった施工業者が屋根漆喰を塗り重ねた為、屋根漆喰とのし瓦の距離が少なくなっており、のし瓦から雨水が垂れてきた時に容易に屋根漆喰に水が伝わる様になっている。通常はこの距離は2〜3cm程度は離さないといけません。

劣化した屋根漆喰

のし瓦

のし瓦

屋根漆喰

この距離が2〜3cm必要

白く見える部分が屋根漆喰です。黒く変色しているのは、汚れやカビなどで劣化している為です。のし瓦の先まで塗り重ねられている事がわかります。こうなると水はけが悪くなるので、補修が必要です。

屋根漆喰をすべて撤去しました。撤去した際に出た土ホコリで瓦の上が滑りやすくなっているので、作業はいつも以上に慎重に進める事が大切です。屋根の上では、慌てない!急がない!休憩を適度に!が鉄則ですね。

屋根漆喰を塗った後です。新品の屋根漆喰は真っ白で本当にキレイです。特にいぶし瓦とのコントラストは白さが引き立って最高ですね。